ポリアミンによって凝集した複数のDNA分子をレーザトラップした後に、レーザをオフすると、直鎖型のポリアミンでは集合状態が維持されるのに対して、分岐型では個々のDNA分子に離散することを見出した論文が、国際誌 Coll. Poly. Sci. により採択されました。ヒトを含め通常の細胞には直鎖型のポリアミンが存在しており多様な作用を示していることはよく知られている。近年になって、沸点近傍の温度で生育している超好熱菌は分岐鎖ポリアミンを産生していることが見出され、高温条件での生命活動の維持に分岐型が重要な役割を担っているのではとの推論がなされている。今回得られた実験結果については、モンテカルロ法による理論計算により、直鎖型と分岐型のDNAへの結合様式の違いによるものと結論している。柏樹君(M2)、西尾君(M2)が第1, 2著者。New York City Univ.のProf. Shew との共同研究。

“Repulsive/attractive interaction among compact DNA molecules as judged through laser trapping: Difference between linear- and branched-chain polyamines”, Yusuke Kashiwagi, Takashi Nishio, Masatoshi Ichikawa, Chwen-Yang Shew, Naoki Umezawa, Tsunehiko Higuchi, Koichiro Sadakane, Yuko Yoshikawa, Kenichi Yoshikawa, Colloid Polymer Science, in press.