現在、がんの化学療法で最も良く用いられている薬物の一つのCisplatinに代わり、より治療効果が高くなると期待されている白金複核錯体について、それがDNAの高次構造を緩く凝縮させる効果があることを解明した論文が、国際誌Chem.Phys.Lett.にアクセプトされました。論文では、この高次構造転移が、薬物がある閾値濃度以上で活性が高くなる効果、すなわち、協同効果を引き起こしていることを明らかにしています。清水君(2016年度3月修士修了)が筆頭著者、米田博士(鈴鹿医療大)との共同研究。

“Conformational transition of DNA by dinuclear Pt(II) complexes causes cooperative inhibition of gene expression” Yuta Shimizu, Yuko Yoshikawa, Takahiro Kenmotsu, Seiji Komeda, Kenichi Yoshikawa Chemical Physics Letters, 678, 123–129 (2017).