本研究室の博士課程1年の西尾天志さんが、2019年7月20日〜24日、Madrid(Spain)で開催された12th EBSA, 10th ICBP-IUPAP Biophysics Congressにおいて、”Non-specific action of polyamines leads to specific changes in structure and function of DNA”の研究テーマで発表を行い、Poster Prizeを受賞しました。

ポリアミンは全ての生物に存在する生体分子で、細胞の成長や増殖を含む多くの細胞内プロセスに関与している。本研究では80℃を超える高温環境で生育する超好熱菌アーキアThermococcus kodakarensisが生合成する特異な分岐型構造のポリアミンが、80℃の高温条件下でゲノムサイズDNA上に特異なナノループ構造を形成することを発見した。生体内におけるゲノムサイズDNAの振る舞いは遺伝子機能と密接に関わっていると考えられており、分岐型ポリアミンが導く特異なナノループ構造は、高温条件下においてもDNAが遺伝子機能を維持するため重要な役割を果たしていると期待される。以上をまとめたポスター発表が評価され、今回の受賞となった。また、本研究は国際学術誌ChemPhysChemに掲載済みである。

“Branched-Chain Polyamine Found in Hyperthermophiles Induces Unique Temperature-Dependent Structural Changes in Genome-Size DNA.”, T. Nishio, Y. Yoshikawa, W. Fukuda, N. Umezawa, T. Higuchi, S. Fujiwara, T. Imanaka and K. Yoshikawa, ChemPhysChem, 19, 2299-2304 (2018).