マイクロメートルスケールで働く運動系の開発は、体内で働くミクロロボットの開発や生物の運動の原理に迫ることにもつながり、これからの重要な研究課題となっている。一対の針状電極間に直流電位を印加するといった簡単な実験系で、固定した回転軸場を用いることなく、安定な回転運動を起こすことが可能であることを見出した。カイラル(鏡像)な羽根車構造のミクロな回転子形成することで、滑らかで安定な回転モータとして働くことを明らかにし、回転運動が電極間での渦状の流体運動で引き起こされていることを、実験・理論両面から明らかにしている。これらをまとめた論文が国際誌AIP advancesにAcceptされた。本研究室で推進された研究であり、石田君(奈良先端科学技術大学院大学M1;本研究室出身)が第一著者、鷹取博士(立命館大学 助教;本研究室出身)が第二著者、平野博士(産業技術総合研究所 健康医工学研究部門)が第三著者、山本准教授(同志社大学理工)が第四著者、大江教授(同志社大学生命医科学)が第五著者。