コーヒー粉末を含んだ懸濁液を乾燥させると、液滴の外周に粉末が円形に集合することはよく知られており、コーヒーリング効果と呼ばれている。それに対して、懸濁液を回転盤上で乾燥させると、乾燥初期にはうねうねしたパターンが現れ、後期にはサイズがほぼ揃ったmmスケールの円形パターンが多数出現することを見出した。この円形パターンの内部はwater-richの領域となっている。回転盤上で懸濁液は周期的な加速度を印加されており、これがmmスケールで、粉末をミクロ相分離させているとして理論的な解析も行った。原理的には、コーヒー粉末に限ることなく、粉末を含有する懸濁液で一般的に生じる現象であると考えられ、今後様々な粉体を含む溶液から自己組織化パターンを形成される新たな実験手法として研究が発展することが期待される。これらをまとめた論文が国際誌Physicsに出版され、highlight論文にも選出されました。上野さん(DC)、庄野さん(M2)、小川さん(M1)が第一、第二、第三著者。