光による物体搬送についての研究は数多いが、同一の光源と同一の溶液条件で運動方向を反転させることは残された課題であり、mmサイズの物体の運動方向を自由に制御することができるような実験手法は未発達であった。本研究では、金ナノ粒子水溶液に側面からレーザを照射することによりcmスケールの一方向の流れを生成でき、レーザの入射角をわずかに変化させるだけで液体流の進行方向を順・逆スイッチングできることを発見した。さらに応用として、生成した液体流により、気水界面に浮かべたmmサイズの物体を順・逆方向に繰り返し搬送可能であることも明らかにした。これらをまとめた論文が、国際誌Applied Physics Lettersに採択された。庄野さん(M2)が第一著者、鷹取博士(博士研究員)が第二著者、Universidad de SevillaのJose博士との共同研究。

“Switching between positive and negative movement near an air/water interface through lateral laser illumination”, Mayu Shono, Satoshi Takatori, Jose M. Carnerero, Kenichi Yoshikawa, Appl. Phys. Lett., in press.