混雑環境下で非平衡ゆらぎが創り出す秩序構造
生命体は非平衡ゆらぎにより、自らの生命を創り出し、その活動を維持している。本研究では、「ゆらぎ」と「秩序構造」に着目し、サイズの異なる粒子の集団に外部から振動をあたえるといった実験を行った。その結果、粒子集団が空間的に閉じ込められた環境下で、粒子のサイズに応じて相分離して、閉鎖空間内に局在化することを発見した。空間内の混雑度が低い環境では大きな粒子が空間外部に、混雑度が高い場合には大きな粒子が空間内部に局在する(Fig)。排除体積効果を取り込むことにより並進運動の自由度を求めて、系のエントロピーを理論的に計算した。その結果、実験で得られた粒子の局在条件を理論的に説明することが可能であることを示した。
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Fig.1: Schematic representations of the experimental system with bird view in (a) and side view in (b); typical snapshots at 0 and 540 seconds (left panel) and the real-time trajectories of the large sphere (right panel) for two distinct packing fractions η = 0.1(NL = 1 and NS = 29) in (c) and 0.6(NL = 1 and NS = 229) in (d), where dL =10mm, dS =3mm and D = 60mm. The scale bar is10mm. Note that the dotted circles in the trajectory plots indicate the outermost boundary which can be reached by the center of mass of a large sphere within the cylindrical disk. |