岸本君は、白金製剤である「シスプラチン」と「トランスプラチン」が、それぞれ「T4 DNA」(166kbpの長鎖DNA)の高次構造と機能に対して、どのような影響を与えるのかを明らかにしました。シスプラチンは高い抗腫瘍活性を有し、抗がん剤治療で中心的な役割を果たしています。一方で、立体異性体であるトランスプラチンは抗がん作用を示さないことが知られています。本研究成果は、がん細胞に対する「シスプラチン」と「トランスプラチン」のはたらきの違いとその要因を解明する上で、重要な基礎になります。以上をまとめた口頭発表が評価され、今回の受賞となりました。