[最新情報] [論文] [外部向け情報] [内部向け情報]

論文公刊:H. Ueno, H. Kawakami, and K. Sadakane, Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE 17, 306 (2026).

2026.03.03

最新情報

外部光照射により単安定状態と発振状態を切り替える光感受性マルチバイブレータを設計し、連続時間で発展する内部状態と離散的に切り替わる出力をあわせ持つ興奮性ハイブリッド回路としてこれを理論・実験の両面からまとめました。しきい … 続きを読む 論文公刊:H. Ueno, H. Kawakami, and K. Sadakane, Nonlinear Theory and Its Applications, IEICE 17, 306 (2026).

生物学的ポリアミンである3価のスペルミジン(SPD[3+])や2価のプトレシン(PUT[2+])は、細胞分裂と増殖を促進する有機化合物である。それらは正に帯電しており、細胞環境において負に帯電したDNAと静電的に相互作用する。本研究では、PUT[2+]とSPD[3+]が共存する環境下において、長鎖DNAの高次構造変化が遺伝子発現活性にどのように寄与するかを調査した。PUT[2+]はSPD[3+]と比較して約5倍の遺伝子発現促進効果を示し、長鎖DNAに”網目構造”を形成することを発見した。また、PUT[2+]濃度増加に伴いDNA鎖に捩れ構造を形成することも発見した。SPD[3+]添加により形成された長鎖DNAの平行配列構造はPUT[2+]の作用により網目構造へと転移した。さらに、SPD[3+]による遺伝子発現最大促進濃度帯(0.3, 0.5mM)にPUT[2+]を作用させると更なる遺伝子発現促進効果を示した。対して、SPD[3+]による遺伝子発現阻害濃度帯(1.0mM≦)ではPUT[2+]を作用させても発現活性は促進されず阻害されたままであった。カチオンの共存効果に関しては、デバイ・ヒュッケル理論の枠組みでは相加的な寄与が予想されるが、本研究結果から生体高分子であるDNA高次構造および遺伝子発現活性に関して、相加的のみならず拮抗的な作用を示すことも明らかにした。これらの知見が生命科学分野における新規的かつ基礎的な理解をもたらすことが期待される。これらをまとめた論文が国際誌European Biophysics JournalにAcceptされた。小川君(現在は同志社博士後期課程1年)が第一著者、西尾博士(現在は産総研の研究員;2021年度博士後期課程修了)が第二著者。

2026.03.03

最新情報

ヒドロキシウレア(HU)はDNA合成酵素阻害剤として良く知られている抗がん剤であるが、遺伝子発現活性やDNA高次構造への直接的な作用については不明であった。本研究では無細胞系遺伝子発現に対するHUの作用を調べ、HU濃度に依存して遺伝子発現に促進/阻害の二面性効果が生じることを見出した。更に、原子間力顕微鏡とCDスペクトル解析により、HUが引き起こすDNA微細構造変化を観察したところ、HU濃度の増加に伴って、DNA二次構造は保ちつつも微細構造では部分的/全体的に捩れ構造を形成していくことを明らかにした。また、揺動散逸定理に基づき、長鎖DNA一分子の揺らぎを定量的に解析した結果、バネ定数、減衰定数がHU 2~10mMでは僅かに増加、15mMでは顕著に増加することが分かった。なお、我々の研究室ではこれまでに、アルコールの作用によるDNA鎖のバネ定数、減衰定数の顕著な増加が遺伝子発現活性の阻害を引き起こすことを報告してきている(藤野らPolymers(2023))。以上より、HUによるDNAの捩れ構造形成が、RNAポリメラーゼの接近阻害や、DNA鎖の粘弾性特性変化を引き起こすことで、遺伝子発現活性が阻害されたものと考えられる。これらをまとめた論文が国際誌Scientific ReportsにAcceptされた。本研究室で推進された研究であり、小川君(現在は遺伝研および総研大博士後期課程在学;2023年度修士卒)が第一著者、西尾博士(現在は産総研の研究員;2021年度博士後期課程修了)が第二著者、同志社大学理工学研究科の古賀教授(高分子化学研究室)との共同研究。

2024.06.13

最新情報

マイクロメートルスケールで働く運動系の開発は、体内で働くミクロロボットの開発や生物の運動の原理に迫ることにもつながり、これからの重要な研究課題となっている。一対の針状電極間に直流電位を印加するといった簡単な実験系で、固定した回転軸場を用いることなく、安定な回転運動を起こすことが可能であることを見出した。カイラル(鏡像)な羽根車構造のミクロな回転子形成することで、滑らかで安定な回転モータとして働くことを明らかにし、回転運動が電極間での渦状の流体運動で引き起こされていることを、実験・理論両面から明らかにしている。これらをまとめた論文が国際誌AIP advancesにAcceptされた。本研究室で推進された研究であり、石田君(奈良先端科学技術大学院大学M1;本研究室出身)が第一著者、鷹取博士(立命館大学 助教;本研究室出身)が第二著者、平野博士(産業技術総合研究所 健康医工学研究部門)が第三著者、山本准教授(同志社大学理工)が第四著者、大江教授(同志社大学生命医科学)が第五著者。

2023.11.16

最新情報