ノルスペルミジン(NSPD)はスペルミジン(SPD)の構造類似体であり、抗腫瘍活性を有することで知られているが、その作用機序については不明な点も多い。本研究では、これらのポリアミンが遺伝子発現の亢進と抑制の二面性を示し、亢進作用に関してはSPDが、抑制作用に関してはNSPDがより強い活性を示すことを見出した。原子間力顕微鏡、蛍光顕微鏡によるDNA一分子計測と、モンテカルロシミュレーションによる理論的考察から、NSPDとSPDのDNAへの結合様式の違いが高次構造に関して特異的な変化をひき起こしていることが明らかとなった。これらをまとめた論文が国際誌SCIENTIFIC REPORTSで出版された。西尾君(D1)が第一著者。名古屋市立大学の樋口教授、梅澤准教授、New York City Univ.のShew教授との共同研究。
[更新日] 2019.10.22 [カテゴリー] 最新情報