シスプラチンは抗癌剤として広く用いられている一方、その幾何異性体のトランスプラチンには抗がん作用が認められず、なぜシスプラチンが有効な作用を示すのか、その作用機序の完全な解明には至っていない。本研究では、in vitroルシフェラーゼアッセイでの遺伝子発現への影響を比較し、蛍光顕微鏡と原子間力顕微鏡を使用してDNAの高次構造変化を調べた。その結果、シスプラチンはDNAの凝縮を引き起こし、遺伝子発現を顕著に抑制することが明らかとなった。本研究論文がInternational Journal of Molecular Science (IJMS)にアクセプトされ、シスプラチン臨床開始40周年のSpecial Issue “Cisplatin in Cancer Therapy: Molecular Mechanisms of Action” の中の論文として掲載されています。岸本君(M2)が第一著者。鈴鹿医療科学大学の米田准教授との共同研究。

[更新日] 2019.12.24 [カテゴリー] 最新情報

ノルスペルミジン(NSPD)はスペルミジン(SPD)の構造類似体であり、抗腫瘍活性を有することで知られているが、その作用機序については不明な点も多い。本研究では、これらのポリアミンが遺伝子発現の亢進と抑制の二面性を示し、亢進作用に関してはSPDが、抑制作用に関してはNSPDがより強い活性を示すことを見出した。原子間力顕微鏡、蛍光顕微鏡によるDNA一分子計測と、モンテカルロシミュレーションによる理論的考察から、NSPDとSPDのDNAへの結合様式の違いが高次構造に関して特異的な変化をひき起こしていることが明らかとなった。これらをまとめた論文が国際誌SCIENTIFIC REPORTSで出版された。西尾君(D1)が第一著者。名古屋市立大学の樋口教授、梅澤准教授、New York City Univ.のShew教授との共同研究。

[更新日] 2019.10.22 [カテゴリー] 最新情報

当研究室では、光ピンセット技術と高分子混雑効果を活用し、安定な3次元の細胞組織体を構築する研究を発展させてきました。今回、種類の異なる2種の細胞:間葉系幹細胞と血管内皮細胞 を用いて安定な3D細胞組織体を構築した研究が、国際誌 : Materialsにアクセプトされました。本研究は、再生医療の先駆的な研究となり、再生医療分野に新規的な知見をもたらすものと期待されています。第1著者 山崎君(2019年MC修了)、・第2著者 岸本君(M2)。谷口博士(Polish Academy of Sciences)との共同研究。

[更新日] 2019.06.02 [カテゴリー] 最新情報

「組織切片の張力伸展応答:がんの病理診断手法の創出」の研究が雑誌BIO INDUSTRYにとりあげられました。がんなどの“病理診断”では、採取した組織切片をガラスプレート上に置いて、光学顕微鏡で観察することが一般的な手法となっていますが、定量的な診断が困難でありました。そこで、本研究では組織切片を伸展させることで発生する”ひび割れパターン“を画像解析することによって、定量的な病理診断が可能になることを明らかにしました。大社さん(M1)が筆頭著者。(医生命システム学科の池川研究室、京都大学医病理学教室、山口大との共同研究)

[更新日] 2019.03.19 [カテゴリー] 最新情報