シスプラチンは抗癌剤として広く用いられている一方、その幾何異性体のトランスプラチンには抗がん作用が認められず、なぜシスプラチンが有効な作用を示すのか、その作用機序の完全な解明には至っていない。本研究では、in vitroルシフェラーゼアッセイでの遺伝子発現への影響を比較し、蛍光顕微鏡と原子間力顕微鏡を使用してDNAの高次構造変化を調べた。その結果、シスプラチンはDNAの凝縮を引き起こし、遺伝子発現を顕著に抑制することが明らかとなった。本研究論文がInternational Journal of Molecular Science (IJMS)にアクセプトされ、シスプラチン臨床開始40周年のSpecial Issue “Cisplatin in Cancer Therapy: Molecular Mechanisms of Action” の中の論文として掲載されています。岸本君(M2)が第一著者。鈴鹿医療科学大学の米田准教授との共同研究。
[更新日] 2019.12.24 [カテゴリー] 最新情報